日本の銘木といえば昔から欅。堅く、強く、頼もしい良材です。木を挙げると漢字で書きますが、古来よりケヤケシの(際 だって素晴らしい) 木－ケヤキとして、自然や豊かな実り、平穏な日々に感謝する、ゆかしい行事の際の供え物を奉り挙げる道具や器の材になってきたことが語源ともいわれており、しっかりとした素晴らしいお椀やお盆ができます。この地、小田原では昔から沢山作られてきました。

ブナの森で有名な、すっくと立つ白い幹の姿のよい大きなこの木。冬はひっそりと山を守り、若葉のころはうつくしく萌え、山をみずみずしく辺りを幸せにしてくれます。さわやかな白い木肌は、シンプルでナチュラルな暮らしのうつわにぴったり。この木があれば難無く無難な－ブナ、ともいわれるそうです。このところの人気上昇で入手が大変。漆をぬっても素朴でしみじみよいものです。

日本人の大好きで大切な桜。きめ細かく緻密で光沢のある木肌は ほんのりなにげに その花を思わせる美しさ。見ていると胸がいっぱいになります。カタチになっても女性的な優しい風合い。それでもこの材強度があり、きっちりした丈夫なよいうつわや道具になります。ほんとうに女の人と一緒。春前に森からきて下仕事がしっかりできる分量しか作れず、もっと多くあったらと毎冬思います。

カナダや北米のメープルはあこがれの素晴らしい材ですが、日本にも北国で育つイタヤカエデというとても美しい木があり ます。白から赤みがかった、緻密で粘り強い輝くようななめらかな木肌に、縮みという波のような光沢模様やバーズアイとよばれる杢目も出る貴重な材です。また、堅く丈夫で、使い心地よい暮らしの中のいろいなうつわや道具になります。

おいしい実のなるクリの木。古くから日本人の生活に深く関わりがありました。重くて堅くねばりがあり水にも強いので縁 の下の力持ち家の土台や、古民家でみかけるような風情ある太くて頑丈な梁や柱になってきました。線路の枕木もクリの木でできているんです。素朴でおおらかほがらかな、いかにもクリの実のようなクリーム色のなんだかおいしそうな楽しい木目です。

西洋の家具などに使われるウォールナットよりも、少しやさしい風情の日本のくるみ。その実の殻のように、ほのかに紫が かったスモーキーな深い独特の色みは、濃淡のつらなる緻密で艶のある木目とあいまって、とても優雅で上品な印象。一度気に入られると、ずっとご愛用くださる根強いファンの多い材です。漆をぬると不思議と可愛らしくなります。

リスや熊の大好物、ドングリのなる木です。葉っぱも実も絵本にあるそのままの感じ。幹はシイタケを育てる、ホダという よく見るあれです。西洋のオークは仲間ですが、洋酒の樽や家具インテリアなどによく使われる、堅固で重厚な正統派のかっこいい材。うつわや道具になってもテーブルの上で、きっちりと仕事をするような信頼感ある渋くタフな仕上がりが素敵です。

薗部産業はinternational year of forests（国連が定めた国際森林年）木づかいニッポンにも参加しています。
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